2013年12月14日土曜日

磯部湯画廊 一日の光



いつも 川の左側の道を通って磯部湯に通っていた 行きと帰り 自分の場所のように感じて通っていた道の 反対側 川の右側はどうなってんだろ?と思って
はじめて通ってみたら
うわあああ なんてきれいな
ぜんぜん違う景色
大きな松がたくさん生えていて 右手には前橋公園がひろびろ見える
利根川も少し見えて 開けた景色
なんてこった
私は わたしなりの前橋を見尽くした と思って制作を終えたとたんこれだ
もう明後日にはこの街をでる そういうときに
一本 道を変えただけでこの新しい世界
ちっきしょ〜 と思いながらも これだから面白い
また 前橋に帰ってきたい そう思ってテンションがあがりまくった
美しさは尽きない

そうやって到着して
設営完了の磯部湯をひとり 最初のお客さん目線でゆっくり見る
やっぱり朝はきれいだ
この光を みんながみることができないのは 残念 だけど ちょっとした秘密感もあって 愛おしい

今日は こんなにのんびり時間を過ごしたのはいつぶりだろう というくらい
磯部湯に一日いて 来る人とはなす
今回の展示でなによりも楽しいのは 外の光によって 時間によって
展示の印象ががらりと変わること
それを 朝から夜まで ずっと確かめ続けた

いつ電気をつけるのがベストか 存さんやみともさん岡田さんと 話しながら過ごす
なんにもしていなくても 時間は経つし 光が変わる
それに一日中気づける贅沢よ

そういえば 夏に土湯温泉で絵を描いたときは 屋外の藤棚で一日中やっていて
光と時間 そして天気 何時にどんな虫があらわれるか 風が吹くのか
一カ所にとどまり続けることでよくわかったのだった

今回は 建物の中ではあるけれど 気温があがるとき下がる時
光がどのように空間を照らすのか そのことがよくわかった

公開制作のときによく言っていたのは 「来週はまた少し絵が進んでいるので みにきてくださいね」という台詞だったけど
展示期間が始まった今 みんなに言いたいのは 「時間帯によって磯部湯での体験が変わるので またみにきてくださいね」 です

ベンチに座ってみる昼 浴室に入ってみる昼 脱衣所でみる夜
回遊しながらみる夜 それぞれにちがう体験となる
演出なんてほとんどない
光が いろいろを決定して またくりかえす

昼ご飯 住友さんと一緒に食べていろいろはなしたあと みにきてくれた住友さんが
「川の音が聴こえるね」と言った
ふっふ そうなんです 実は磯部湯の真横に水路が流れている
水路に囲まれた前橋は いたるところ 水にでくわす
水路は川のようにはよく見えないときもある
こっそりひっそり 流れている
磯部湯で静かにひとり絵をみていると 川の音が すばらしいかんじで聴こえてくるのです
今日一日磯部湯にいて 建物と絵 そして光 色々な角度から時間から見ることで
ほんとうに沢山のことに気がついた
ちょっとなにかを裏返す 目線を20センチ低くする 3歩歩く 電気を消す
目線をあげる それだけで 磯部湯という建物の色々 絵とみごと調和している
ハーモニーが ある

歩く絵の冒険 というシリーズをたまにやっているのだけど それは 室内でおとなしくしていた絵に足が生えて街にとびだす というもので
そのとき 絵が太陽の光に照らされる美しさと同時に 後ろの景色すべての見え方が変わって ぜんぶが 絵になる 
絵が まわりのものに新しく光を当て直す

それが 磯部湯でも起こっている
絵が動かなくても 見ている自分が 目線や角度を移動させ というかようするに
見てみよう という意思でまわりにあるものをみることで 100万通りくらいの
ダイヤモンドみたいな移り変わりよ

光と物質 そういうことよ

磯部湯画廊 笑


とてもいい一日でした
お客さんもけっこう来てくれて もう 制作でてんぱっていないので
ゆっくり話す
人が 空間をどのように歩くのか 観察するのもおもしろい

脱衣所と浴室のゆるやかな境界線を 越えないで見る人もいるし
ずんずん奥に進む人もいる
目線の移動もそれぞれで 上にある絵に気づかない人
床の木に気づく人 さまざまだ

あーおもしろい

夜になって だんだん眠気が。。
ずっとナチュラルハイで 早寝遅寝で平気だったけど 脳みそが 眠気を思い出したみたい
18時の公開を終えて いったん家に帰ってきた
ねむいねむい
こんなはやく帰宅するのははじめてだ
いつもの道も ちがうように見える
店がまだあいているし 車や人とすれ違う

世界はダイヤモンドカット

そう思いました

ねむねむ だけど今夜はこれから ひさびさのジョイフル 健生くんと存さんといってきます だらけるぞー

明日はトーク!最後の仕上げじゃ


0 件のコメント:

コメントを投稿